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隠された記憶 [DVD]

隠された記憶 [DVD]

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隠された記憶 [DVD]の解説

   『隠された記憶』には、一瞬たりとも気を抜かずに見なければならないという雰囲気がある。主人公たちが見知らぬ誰かに見られているからだ。ジョルジュとアンのローラン夫妻は、パリの邸宅で誰もがうらやむような暮らしを送っていたが、一本のビデオテープが届けれられたことで、それが脅かされる。ビデオには彼らの家が正面から映っているだけで編集もされていなかったが、それでも彼らは不安に思う。次に届いたものにはジョルジュが育った農家が、そして次には郊外を走る車が、安アパートに向かう様子が映っていた。相変わらずたいしたことのない内容だったが、やはり彼らは不安がる。次に子どもが描いたような血まみれの死人の絵が描かれた不気味なはがきが届いたことで、謎は恐ろしくなる。ジョルジュは犯人を確信したが、妻に知れれたくないために隠していた。そこには犯人が誰であるか以上の秘密が隠されていたのだ。監督兼脚本のミヒャエル・ハネケは、古くなった傷口から新しい皮膚が再生されるように、いくつにも重なった欺瞞を巧妙に組み立てた。彼はこの印象深く記憶に残る映画を作るために、先人たちのアイデアをうまく融合させた。複雑な人間関係についてはベルクマン、サスペンスと危険が潜む様子はヒッチコック、そして独特の映画センスについてはアントニオーニの影響が見られる。考えさせられるラストシーンは、事実上『さすらいの二人』への賛辞になっている。多くの人がこのシーンに何かを見つけようと、何度も繰り返して見るだろう(だが何度見ても結果は得られないかもしれない。その場合は、ヘネケ監督が自分の考えについて語っているDVDの特典インタビューを見て欲しい)。見どころのある興味深い作品だ。簡単に結果は分からず、何か答えを得られても、それがまだ別の疑問へとつながってしまう。(Daniel Vancini, Amazon.com)

隠された記憶 [DVD]の商品レビュー

5.0 隠された記憶
否定的な意見だけではなく、スリラー作品として面白がっている方達まで多くいるようなので、まだ映画を見ていない方に私が思ったことを書かせてもらいます。

『隠された記憶』は、とても軽い気持ちでストレスの浄化用に、現実から逃避するために見ようと思って見られる映画ではありません。

そのような映画(監督のハネケ曰く「大量生産のハリウッド映画」)をずっと見てきた方にはただの不快な、答えのない賞狙いの映画にしか思えないでしょう。

だからといってそれは観賞している方が悪いわけではありません。
現にこの世は(日本なんて特に)そんなハリウッド的映画で溢れていますから。

ただし、私が個人的に思うには、この映画は他のレビュアーの方達もおっしゃったように、現代社会の「疚しさ」や「悲しみ」、「恐ろしさ」を描いているんだと思います。

その社会の矛盾のようなものは、もちろん人間が作っている事です。

この映画で直接的には出てきませんがこの世は自然破壊や、殺人、戦争、差別などで溢れています。

そして、人間は結果的に「映画」というものを、ジェイソンやフレディーのような殺人鬼は実際にはいない、と言って現実逃避をするために、自分のためだけに、ホラーやスリラーなどのジャンルの映画を見続けます。

だからといって、このレビューを書いている私も、ホラーは大好きで何枚もDVDは持っています。現実を直視した映画ばっかり見るのが怖いからです。

でも、さっきいったような「恐ろしさ」で溢れた世界を表現するハネケのようなある意味物凄く素直で逆にひねくれている監督がいなかったら、この世はどうなるでしょうか。

どんどん虚言ばかりの世界になっていって、結果的に現実と映画の違いが分からなくなる人が出来て、その人はこの映画にも出てくる人物のように誰かを殺してしまうかも分かりません。

ハネケはおそらくそういう映画や社会を、自分の映画で猛烈に皮肉っているんだと思います。

そして、この作品では、それをアルジェリア問題とつなげたんでしょう。
なので他の彼の作品と比べて、日本人に理解するのは難しい問題でもあるのは確かです。

ちなみに、答え探しじゃないというのは分かっているけれど、そもそも映画が面白くない、という意見がございましたが、それは多分ハネケのツボにはまっているということでしょう。

逆にエンターテイニングな浄化用作品をパロっているから、こういう作品になるのだと本当に個人的にですが、私は思います。

なので同じテーマを綺麗に描くキューブリックやアルジェント(彼らも私の大好きな監督です)などの作品に比べると、つまらないし、何回も見たいと思えるような内容ではありません。

ただし、ハネケの作品ではただ「綺麗」以上の物が得られる、ということを、私はこの作品や、「ファニー・ゲーム」、「セブンス・コンチネント」を見て実感しました。

多分綺麗な映像とスタイルで「狂気」を表現しても、結局言いたい事は伝わらないのです。

ここまで長ったらしく書きましたが、これはあくまで私の意見です。

エンタメ作として楽しめた方がいるのならそれはそれでいいのだろうし、「面白くなかった」という風に感じる方には私も実は全面的に賛成です。
それをハネケは狙ったのだろうし・・・。

でも、今までずっとハリウッド的な概念のまま映画を見てきた方には、また別の見方で見ると、想像以上のものを得られる可能性は十分にあると思います。

ただ、英題の通り、色んなものが「隠された(Hidden)」映画だと私は思います。

それは現代社会を象徴しているという私が感じたことである可能性もあるし、ただ何の意味も無いんだよ、ということでもあるかもしれません。

邦題のように隠されているのは記憶かもしれないし、エンド・クレジットで流れる学校のシーンの驚愕かもしれません。

でも受け取る人によって隠された物は違うと思います。

私はそれが何であれ、ハネケが観客にその選択肢を渡した、という事実だけで、この映画は他の映画とは違った意味で優れているな、と思います。

あなたも、この映画で隠された「物」をさがしてみてください!
4.0 あの日の解無し・・・
中学生位の頃だったか? 一番嫌い(やっても出来ない)科目、数学の「二次方程式」の宿題を珍しく一生懸命解いていた。xとyの矢印が交わる所が解答?だと思っていたのでこの方式を用いて解いていたのだがどう考えてもxとyの矢印は交わらない。悪戦苦闘する事小一時間位だったか、私は皆さんも良く使ったであろう「禁断の手」を使った。そう、後ろにある解答を見たのだ。そこに書かれていた解答は何と「解無し」・・・・・・・・・ 「解無しってお前一体フザケンナよ!」と私は暫し呆然とすると共に怒りを覚えた記憶がある。しかしその後私一人、頭を掻き毟りながら「やられたなぁ」という表情で暫し苦笑いを浮かべた。数学には全て明確な解答が存在するものだと独善的先入観を抱いていた私の価値観はその日から一変した!

その後、私は数学が大好きになり「高得点」を連発!!。なら良かったのだが私は「これは使える!!」とばかりに「二次方程式の答えが解らない時には全て「解無し」を機関銃の如く連発!!」いわんやその後、数学いや算数にすら縁は無くなった。

と思ったがしかし!この映画を観終わった後、この忘却していた数学に対する苦い青春の思い出と全く同じ心境に為った。
「何だこの映画、解無しの二次方程式じゃねぇか!!」・笑

あの日の解無しに対する呆然と怒り・・・・ 数学に対する独善的先入観・・・・ そして無知・・・

嗚呼!!大人になっても私は全く成長していないのだなぁ・・・とM.ハネケ監督に教わりました・苦笑

私にとっての「隠された記憶」とは「これ」だったのかもしれません。
変なレヴューで申し訳有りません・・・・・
2.0 こういうのは好きじゃない
「解釈は観た人に任せる」タイプの映画ですね。
そういう映画だとは知らず、
普通のサスペンス映画を期待して観た私は驚愕のラストで度肝を抜かれました。
というか、DVDに欠陥でもあるのかと思った(笑)
オープニングもそう。
思わせぶりというか、やはり編集に失敗したの?と言いたくなるようなシーン。
ハリウッド映画になれた人間にとって、
こういうアーティスティック(分かりにくいとも言う)映画は、好きじゃないです。
3.0 ウォーリー君を探せ!
フランスのアルジェリアに対する弾圧「疚しさ」を隠喩している映画とも言えるし、映画の中で出てくるように、自分が子供の頃犯した罪に意識なき罪に対する「疚しさ」を引喩している映画とも言えるでしょう。「疚しさ」それこそがこの映画の大テーマです。でもついつい。誰が犯人のんだろう??という映画を見る人の犯人探しの意識、レトリック、とトリックが使われ、それを謎にして、そんなことではなく大テーマの「疚しさ」に気づけと監督は言っているような気がします。とは言っても。凡人の私は、最後のシーンで息子が登場するので、ひょっとしたら息子が犯人?と思ってみたり、でも息子を取っているのは誰?とまたしても疑問を抱いてみたり、でも、結局、犯人は誰でも良くて、それはただの刺身のツマですね。僕は映画の中で物凄く注意深く見なければ判らない「ウォーリー君を探せ!」的な遊びはしたくはありません。そんなことで煙に巻くのはまさしく「疚しさ」を隠す、逆に言えば犯人探しという表面的な出来事=日常生活に隠れる、忘れかけている罪=大テーマ「疚しさ」を表現しているのだと思います。いずれにせよ、少し頭でっかちな手法なのではないかと思います。ごめんなさいね。僕は大テーマを抽象的かつ謎に包ませて創造させるゴダールやキューブリックの方が好きです。もう一度言っちゃう、映画で「ウォーリー君を探せ!」や「間違い探し」をしたくないな。
5.0 やましさとは何か
犯人探しは問題ではなく、この作品は、クライマックスというべき緊張感を臨界点まで漲らせたあのエレベーターのシーンにおける、マジッドの息子の台詞こそが主題であるのは明らかで、そしてその主題をハネケは見事に描ききったと言えるだろう。

そして、記憶が曖昧でもしかしたらそうでなかったかもしれないのだが(その場合はご容赦いただきたい)、送られてきたビデオの映像だけではなく、通常の神の視点で描かれているシーンも画面が不安定に揺れていることがあったように思うのだが、それと、ジョルジュがフランス人であり、マジッドがアルジェリア人であるということ、アンが電話をするシーンで延々と流されていたのがイスラエルのニュースであることを踏まえると、もしかしたら、この映画は、ジョルジュではなく、ただ先進国で生きているだけで、恐らく発展途上国の誰かの労苦や不幸をベースにして平和な生活を送っているであろう我々に、「隠された記憶」という名のビデオテープを送りつけ、そのやましさを撃つ作品なのではないか――そのようにも思えるのだ。

さらに言うなら、フランスの英雄であるフットボーラーのジダンはアルジェリア系の移民の家族に生まれたことであるとかも頭をよぎって、余計に考えさせられたりも。

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