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これはトム・ダウドという一人の音楽プロデューサーのドキュメンタリーDVDです。 数ある名盤を世に送り出してきた、知る人ぞ知る名プロデューサーなんですが、ほんとこのDVDは見る価値あります。 いかにしてこの人が音楽に携わることになったのか、音楽の録音技術がいかにして発達し、数ある名演奏がいかにして生まれたのか、非常に面白く捉えています。 録音技術の歴史を知る上でも貴重なものだと思います。 オールマン・ブラザースからクラプトン、レイナード、アレサにオーティス、MG'Sなど、その手の好きな人にはよだれモノです。 しかし、やっぱりこういう人は人格も出来ていて人間として素晴らしいからこそこんな大仕事を苦もなく心から喜んでやってこれたんだろうなあと思わずにはいられませんでした。 音楽を愛しているのがひしひしと伝わります。 ラスト近くでレイラのMIXを機械をいじくりながら楽しむ様子は本当に心が温かくなり素晴らしいです。 まあオタクにしか解らないのかもしれませんが…。 映画を監督で見るように音楽にもプロデューサーは大切なものだと思うからこそこういう人が亡くなっていくのはすごく寂しいことだと思います。 ロックの歴史はまだ浅いですが、その黎明期のレジェンドたちが次々に逝く時代ですが、彼らの残して行った物は時代に関係なく残り続ける。 その恩恵に感謝し、彼の業績がこうして映像で残されたことにこのDVDの意義があると私は思います。 お薦めです。
エンジニアとして、プロデューサーとして、 手元のCDに山ほどクレジットされているトム・ダウド。 コルトレーンからオールマンブラザーズ、 果てはプライマルスクリームまで、 燦然と輝く大物と渡り合ってきた人だけに、 強面の親方風情を想像していましたが、この映画で印象が一転しました。 明るく人なつっこいダウド本人の口から語られる数々の製作秘話は、 ポップミュージックとスタジオ技術の歴史そのもの。 大戦中、原子物理学の寵児としてマンハッタン計画に引き込まれた過去が明かされるなど、仰天エピソードも満載です。 個人的には、原爆研究から音楽製作に転じるまでの心境変化をもっと詳しく語ってほしかったのですが、 言えないこと、思い出したくないこともあったのでしょう。 ラストシーン、30年ぶりに「いとしのレイラ」のミキシングを試みるダウドの表情は、まるで子供のよう。 音楽が好きでたまらなかった男の、ハッピーでアカデミックなドキュメンタリーです。