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リバティーン [DVD]

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リバティーン [DVD]の解説

   1660年代、王政復古のイギリスで、ロチェスター伯爵ことジョン・ウィルモットは、作家の才能がありつつも、そのセクシャルでスキャンダラスな内容が問題視されていた。女性関係も派手な彼だったが、エリザベスという女優に出会い、彼女の才能を開花させるべく丁寧な指導を施す一面もあった。しかし、ジョンは国王に依頼された、フランス大使を招く歓迎式典の舞台演出で、卑猥かつ刺激的な内容で、国王の顔に泥を塗ってしまう…。
   ジョニーが脚本の冒頭3行を読んで、出演を即決したほど惚れ込んだだけあって、彼は怒りに満ち、淫らで、嫌悪感を抱かせるに十分なこの男を魅力的に見せることに成功している。ジョニーが演じることで、ロチェスター卿は人をひきつけてやまないカリスマ性ある男として蘇ったのだ。自身の崩壊に向かって生きていく、主人公の壮絶な生きざまは物語の進行とともに迫力を増し、ジョニーは肉体を醜く変貌させながらも、その魂を生き抜いた。その姿は壮絶でさえある。共演はジョン・マルコビッチ、サマンサ・モートン。監督は本作がデビュー作となるローレンス・ダンモア。(斎藤 香)

リバティーン [DVD]の商品レビュー

4.0 ジョニー・デップの独壇場
 改めて言うまでもないことだが、ジョニー・デップはカッコいい!「パイレーツ・オブ・カリビアン」にしても「スウィーニー・トッド」にしても、舞台演劇的な芝居がぴったりはまる。
 実在したイギリスの宮廷詩人ジョン・ウィルモットのことは全く知らなかったが、ジョニー・デップのイメージそのままに個性的な人物だったらしい。ジョニー・デップのモノローグから始まる前半部は、この物語がどこに向かうのかさっぱりわからなかったが、ぱっとしない女優リジーに演技指導を始めるところから徐々に惹きつけられていく。ジョンは何をしでかすかわからないが、酒にしろ、女にしろ、自分がこれと思ったものには情熱を傾ける人物なのだ。そして最後までアウトローを貫くのかと思いきや、詩人としての才能を遺憾なく発揮して議会で熱弁をふるう。若くして放蕩で身を滅ぼすが、それでもラストシーンには救いがあった。
 共演者の中ではリジーを演じたサマンサ・モートンよりも妻エリザベスを演じたロザムンド・パイクの凛とした佇まいがいい。「007 ダイ・アナザー・デイ」でも「プライドと偏見」でも脇役だが、脇役の方が印象に残る女優のような気がする。
4.0 極めて「善人」で、ピュアな人物。
真に純粋で無垢な精神だと、自分が善であるとは微塵も思う事ができず、他人にそう思われる事にも凄まじい罪悪感を感じるのかもしれません。加えて、その人物が高度な知性とセンスをも備えているとなると、この映画の如く、更に生き方が凄まじくなるのでしょう。
ラストで「これでも私を好きか?」と問うのも、「ホントは僕、愛されたかった!」などという俗っぽい意味ではないはず。彼は、他人の評価を気にする人間のフリを貫いて死してなおも自身を落しめてるんだなと思います。好き嫌いで言えば、彼の方こそが、皆が「好き」なんでしょう。ゆえに、彼が終盤に国王の為に演説する行動に出たのは、いわゆる「改心」なんかではなく、死期が迫った為、自らの主義を曲げてでも、彼なりに王へ謝意を示したかったからだと思います。
評価は4です。理由は、題材とした人物の素晴らしさが強烈すぎて、少しズルい気がするから、です。
4.0 自由を希求する無垢な精神の輝き
 王政と道徳に背を向ける放蕩者の風刺詩人(ロチェスター伯爵)に、女性職業人として一人立ちしようとする新進女優(エリザベス・バリー)を対置させて「自由を希求する無垢な精神」の輝きを際立たせた趣向が特に素晴らしい(王政復古期はプロの女優がイギリス演劇史上はじめて登場した時代でもあった)。

 ロチェスターがバリーに演技指導する場面は、巧みなカメラワーク(特に動と静のコントラストがスリリング)も相まって、特に興奮させられた。現代的な問題意識によって歴史に生気を吹きこみ、この作品を単なる「ロマンチックな歴史絵巻」以上のものにしている。

 デップの演技は水際立っているが、ジョン・マルコビッチもいつもながら素晴らしい。根は小心で優柔不断だが王冠の毒に侵されたチャールズ2世の静かな狂気を見事に演じている。
4.0 愛と酒と病と死。 行き着くところはやはり神なのか?
舞台は17世紀、英国。国王チャールズ2世に仕えた実在の宮廷詩人が描かれる。
ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット。
極端な性の解放を迎えた当時の英国においても、彼の存在は際立って破天荒。
その異端ぶりたるや、猥褻ときつい風刺で何度も宮廷を追い出されるほど。

腐った世の中と人間の愚かしさにうんざりしながら、自らもまた娼婦をはべらせ酒に浸る日々。
快楽を追求し、生きることを楽しむ素振りを見せる傍ら、己をおとしめておとしめて、
周囲に何とか嫌われようとする生き方は、冒頭の台詞に強烈に表れている。
斜めにしか生きられなかった放蕩詩人。

その姿はいつしか、俳優ジョニー・デップのイメージと重なってゆく。
ウィルモットを演じる役者は彼意外に考えられない。彼がこの役を気に入ったという理由がわかるような気がする。
美しすぎる顔立ちと、狼のような鋭く深い眼。いつもながらの秀逸な演技力。

そして時代も環境も大いに違えど、世の腐敗を嘆き批判しながら自らもまた堕ちていくこの男に
どこか自分自身を見るような思いがするのは私だけだろうか。

女の強さと男の弱さと人間の脆さ。
きわどくも悲しい話。
5.0 下品に、生々しく、ある男のレクイエム
ネタバレします。

冒頭、カメラ目線で我々に語りかけてくるジョン・ウィルモット=ロチェスター伯爵(ジョニデ)。
もう、この段階でこの世界に取り込まれていた。

芸術、酒、女を謳歌しつつ、華やかな宮廷生活を鼻で笑い、自分しか知りえない深い闇の中でもがいている、僕にはそんな風に見えた。
卑猥で下品な彼の発言は真実を捉え、痛烈な風刺を含み、他人を傷つけ、自らも傷つけていく・・。

チャールズ2世(ジョン・マルコビッチ)の怒りをかい、身を隠して逃げていた彼をやっと見つけたチャールズ2世が言った台詞「お前の存在を無視する」。この台詞がサイコーに好きだ。
散々捜したあげくそれかいぃ!!とか思いつつ、この台詞には貴族階級の人間の価値観(欧米人といってもいいのかな?)、プライドとかそんな安っぽい言葉では表せない、尊厳への価値観というか、そういったものを感じる。

梅毒に冒され、崩れた鼻を仮面で隠し、白塗りで議会に現れるジョニデのアクトは圧巻。
愛人エリザベス・バリーがロチェスターにいった最後の言葉がまた強烈。
やっぱ女は怖いわ・・、そして男は情けないなぁ・・。

ラストに彼が再び我々に語りかける。まるで全てが夢まぼろしであったかのように・・。

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