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ブルーベルベット 特別編 オリジナル無修正版

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ブルーベルベット 特別編 オリジナル無修正版の解説

   ジェフリー(カイル・マクラクラン)は、急病で倒れた父を見舞った帰りの野原で、切り落とされた人間の耳を発見する。やがて、歌手ドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)が事件に関係しているらしいことを聞かされたジェフリーは彼女に接近し、その魅力の虜と化していくのだが…。
   デヴィッド・リンチ監督がその不可思議な悪夢的映像センスを全面開花させ、その名を不動のものとしたシュルレアリズム的不条理サスペンス映画の秀作。全米映画批評家協会賞では作品賞など4部門を受賞、ほか世界各地の映画祭で絶賛された。
   ヒロインの夫役で登場するデニス・ホッパーが大怪演を示し、エロティシズムとグロテスクのあいまった作品世界観を増幅させる。ボビー・ビントンの『ブルー・ベルベット』、ロイ・オ-ビソンの『夢の中に』など1960年代前半のヒット曲が効果的に使われている。(的田也寸志)

ブルーベルベット 特別編 オリジナル無修正版の商品レビュー

5.0 現実から夢へ、昼から真夜中へ
個人的には、これがリンチの最高傑作だと思います。
近年の作品は良かれ悪かれカットアップ的手法も
頻繁に盛り込まれ、感覚だけで享受するにしても
やはり難解だと感じてしまう作品が多いのは確か。
それらと比べて「ブルーベルベット」は最初から最後まで
筋が通っており、初見で全ての要素を味わえる作品です。
人々が普段触れることのない真夜中の異世界。
そこに生きる人々、犯罪、愛。主人公のジェフリーは小さな
きっかけからその中へ足を踏み入れていきます。要は冒険です。
ある意味至極真っ当に映画的な「夢」。それがリンチ作品では他者
とは若干(大分)違うアプローチで表現されているだけです。
相容れない人には悪趣味にしか映らない。だけど、ねじれた形
でしか思いを伝えられぬ人々もいる。ラストは今までの出来事が全て
白昼夢であったかの様で、なぜかとても切なくなります。
見終わってしばらくは、イザベラ・ロッセリーニの歌う
表題曲が、ずっと頭の中で鳴っていました。

「耳」のズームから異世界の冒険が始まり、もう一つの
「耳」のズームで元の世界に戻ってくるお話。
僕は、元の何事もない平和な世界よりも、コマドリの
鳴かない夜の別世界にやっぱり惹かれてしまいます。
リンチが好きな方は、そういう人が多いのでは・・・?
と、勝手に思っていたりするんですが。
5.0 美しき米国の光景の裏側に蠢くおぞましき世界 それを知った時少年は大人になっていく(そして私もそうでした)
今は無き札幌のジャブ70ホールで見た思い出の作品です。当時私は予備校生、女の子と一緒に見に行って「何なのこの映画」と責められた(当たり前だって)苦い思い出の作品です。しかしそれは作品中のジェフリーがサンディと一緒に探偵ごっこをしていて覗いてしまった狂気の世界と余りに軌を一にしていました。個人史的にもまさに絶妙なタイミングで遭遇できた奇跡の様な映画です。
 B.ヴィントンの甘い歌声、抜けるような青空と庭のある屋敷の鮮やかな色彩はまさに無垢で汚れを知らない健康な米国を体現しています。しかしそこを一皮むけばおぞましい異常世界。べっとりした歌を唄うドロシーは真性マゾヒストで、ジェフリーとの性交は爛れた肉塊がぶつかり合うような頽廃の極み。おカマのベンも強烈ですが、やはり空前絶後のぶち切れ演技を見せるD.ホッパーに唖然とします。そんな二人の倒錯セックス(フランクは不能?)を覗き見るジェフリー。車に乗って引きずり回される悪夢の夜。生々しい死体が立ち並ぶアパートで最後の対決…。不思議にも最後は今まで何事もなかったかのように、平和で明るい色彩に包まれて幕が閉じます。
 I.ロッセリーニは当時『白夜/ホワイトナイツ』に出演したばかりの新進モデルでしたが、この作品では一転してとんでもない汚れ役をやり惜しげもなく裸体をさらします。清純に見えるその下には生々しい女の体が存在するのです。それは庭園の地中に蠢く虫や、黒い甲虫をむさぼる青い鳥、そしてのどかな田舎町ランバートンにも狂気に満ちた夜の世界があったのと相似形を成しています。ジェフリーは平常に戻ってきましたが彼はもう知ってしまいました。それは青年がいつかはくぐり抜けなければならないイニシエーション。そしてハイティーンだった私はまさに彼でした。少年期と決別し、様々な人と邂逅して「精神的童貞」を失っていったあの頃を思い出させてくれる、思い入れ深い作品です。
5.0 エレガントだけどグロテスク
この作品は全てのリンチ作品に共通した画家ベーコンへの意識的なオマージユが十二分に堪能できる。白黒時代のエルビス映画からの影響(リンチの青春時代?)なども確認できる。これこそ見るべき映画だ!
4.0 ブルーベルベット
60年代のボビービントンの音楽が、甘く流れる中、デビットリンチ監督の独自な世界が展開して行きます。この監督、ツインピークス、デューン、エレファントマンを撮っていますが、映像が本当に綺麗です。独特のアングルと色使いを駆使しています。カイルマクラレラン、デニスホッパー、そして、イサベラロッセリーニがシッカリとした演技で魅せてくれます。この映画を見終わった後は、少し疲れるかもしれません。
5.0 端境の物語。
『ブルーベルベット』以降リンチ作品は一通り見ているが、最も明解な物語がこれだろう。デビッド・リンチは
好きな部類の監督だが、『ブルーベルベット』がなければその後の難解とされる作品群を好意的に解釈できたか
どうか分からない。その意味でも彼の作品中重要性は高い。私の場合この一作でリンチに対する信頼性は大方確
保された。『ブルーベルベット』が示すオリジナリティは、観客を戸惑わせることが彼の常套手段でないことを
証明していた。音楽の使い方も鮮やかな色彩と絞りの効いた映像、キャスティングの妙、見る者を掴む娯楽性の
高いストーリー、作中人物の内面が維持する非日常性(会話の中に常に生真面目なテンションが漂い舞台劇のよ
うな独特の高揚を生み出す。リアリズムという観点からすれば「違和感」を与えかねない特徴。それはリンチ作
品に共通の味わいであり、日常的な会話さえリンチ流のドラマトゥルギーに支えられている。彼が考える人物の
内面は非常にシリアスだという特徴を持つ。リンチ作品が苦手な人はそこに鬱陶しさを覚えるだろう)。
穏やかな日常に潜む闇の世界。それはふとしたことが原因で平和で健全な日常を侵蝕し始める。父親の見舞いの
帰りに拾い上げた異世界の形見は青年を狂気と倒錯の非日常へと誘う。悪戯な好奇心から闇の奥深くへ分け入り
覗き見る異常な世界。悪夢を際立たせるように映画の最初と最後には明るい幸福な日常が添えられる。昼と夜の
ように隔たる二つの異なる世界の端境には明確な境界線が引かれているわけではなく、折り重なるように共存し
何かの拍子に踏み越えてしまえる(泉鏡花にとって逢魔が時(おうまがどき)がそうであるように)。その端境
の物語はその後も彼の創作意欲を刺激し続けるようで、リンチ作品に共通のテーマとして繰り返し描かれる。
そこへ向かう初心が衒いない誠実さと簡潔さで結実した会心の一作、それが『ブルーベルベット』である。

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