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連続殺人鬼を追うNYPDのジョンは父の形見の無線機を見つける。ニューヨークにオーロラが現れた夜に彼はその無線機でフランクという男と話をするのだが、それは消防士として殉職した父その人だった。時空間のゆがみの中で無線を通じて会話をかわす父子。二人の間には大人同士の男の不思議な友情すら生まれる。しかし二人にくだんの殺人鬼の魔の手が伸びて…。 一級のSF幻想スリラーです。何度見直しても飽きることがありません。 この映画の映像演出の凝り具合について触れておこうと思います。VFXが派手だということではありません。時間軸のゆがみを主人公が経験していく瞬間の映像構成に監督のこだわりが見られます。 たとえば父親のフランクが本来は落命するはずだった火災現場から辛くも脱出したことによって息子ジョンの人生の時間の流れにゆがみが生じてきます。その様子を描写する際に「ジョンの持つグラス」「フランクの消防士用ヘルメット」「フランクと救助された少女」の三者が下へ下へと落ちていくショットをスローに落としてモンタージュしています。このように落下映像を畳み掛けることで、時間軸のゆがみが生ずれば味わうであろう浮遊感や惑乱状況を、観る者に疑似体験させようとしています。葬儀のシーンでも、「ペンダント」「父親の顔」「目覚まし時計」の三者が落下していくことによって足元の揺らぐような時間の歪みを示すモンタージュが構成されています。 えてしてこうした場面には、けばけばしいCGを駆使して観客に目くらましを食らわせるかのような映像構成が行なわれがちですが、そうした安直なモンタージュに走らないこの映画はなかなかのものです。そんなところにも目をとめながら楽しめる一本です。 エンディングも実に小気味よい展開になっています。見終わって清々しい気分になれる映画としてお勧めです。