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ぼく(京京)はまだ小学生だが、良心の不仲からおじいさんのところへ一時、預けられる。そこで体験したことは・・・。 この一家は京劇俳優の名家である。映画も背景に中国の田園や都市の風景とともに京劇が美しい色彩で物語を支えている。 名優のおじいさん李漢亭とその愛人と周囲からも認められている蓮姑の長年の堆積した愛情の複雑な絡みが、孫である京京のヤンチャぶりとバランスをとっている。 アクションらしいアクションは唯一京劇の舞台だけで、時間はゆるゆると進む。最後まで見るのに何度眠ってしまったことか。しかし、その眠りのなんと気持ちのいいことか! アジアの映画にハマる一因にこの誘眠作用があるのかもしれない。 中国映画は、大陸、台湾、香港どの風土から生み出された作品からも「のどかさ」が醸しだされている。それは裏返してみれば、それほど現実の中国社会が過酷なものであるからなのか。中国の歴史には途方もない権力者の残忍性と民への圧制が堆積している。それを凌いで生き抜いてきた民の智恵と力がこのしなやかに柔らかい、丸い世界なのだろう。現代に生きる日本のわたしはその果実の甘味さに惹かれて中国映画に対面する。 とりわけ本作品は安眠を誘うのだ。子どものころの時間感覚を思い起こし、じきにやってくる老いを肌に感じながら。
離婚により子どもが、祖父の下に預けられる。独居の祖父にとっては、初めて会う孫。相通じない二人が、京劇の役者だった祖父と京劇を学んでいた孫の気持ちを一つにしていく。 離婚、独居高齢者、子どもの躾など、日本でも投げかけられている課題ばかりです。淡々と流れていく物語に、現代の日本の姿も見え隠れしていることを感じる映画です。 「両親は選ぶことはできないが、自分の道は選ぶことができる」というメッセージは、新しい時代の家族の行き方を暗示しています。 祖父には、中国の名優で、日本でも大地の子の陸一心の父役の朱旭の演技が輝いています。家族で楽しめて、中国と日本の社会問題を考えさせられる先駆的な物語です。