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2006年3月29日から4月9日まで、大阪・ワッハホールで行われた「極付十番落語会」での、三代目桂春團治の十演目の高座を収録したDVD5枚組。 私は、上方落語では米朝ファンなのだが、残念ながら人間国宝にも老いが見える昨今、七十代半ばにして、華麗で艶やかな芸に少しの陰りも見られない春團治には感嘆するしかない。 このDVDは、三代目春團治の芸の集大成として、後世に残る決定版。ただ、春團治は噺にマクラを振らず、現代の客にはやや分かりにくい古典の演目でも説明をしないので、多少、敷居が高い感もなくはない。 しかし、このDVDには日本語字幕が付いている。この字幕は見事なもので、話の筋さえわかればいいという「要約」ではなく、春團治の口跡の一語一句まで忠実に文字に写してある。耳で聞いたのでは難解な、古典の古風な言葉遣いも、文字で見れば一目瞭然。下手な「解説」を付けるよりずっと粋である(たぶん春團治自身の監修だろう。でなければ、ここまで完璧な字幕はできないはず)。 字幕はもちろんオンオフの切換ができるから、オンで言葉がわかって、あらためてオフで見れば十倍楽しめる。 おなじみの「代書屋」「いかけ屋」も楽しいし「高尾」は絶品だが、「寄合酒」「野崎まいり」「お玉牛」を楽しそうに語る春團治の方が、個人的には、見ていてシアワセだった。 ただ、千穐楽(最終日)の「皿屋敷」は、疲れからか、やや声がかすれていて残念。それと、当日会場に行った人によると、「大阪締め」でお開きとなったそうだが、その場面は収録されていない。