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カルテット

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カルテットの解説

共演作の第2弾、ぼぼデュオだった前作とは異なり今回はリズム・セクション入りの曲を中心(11曲中7曲)に収録。前作で証明された、世代ギャップを感じさせない相性の良さがまたしても浮き彫りとなった。特筆すべきはバリエーション豊かな曲の印象、カルテットならではのスリリングな高揚感をもたらす展開から、時折見せる美しくメロウな表情まで、完成度の高い世界を存分に堪能できる作品。ギター・シンセ・パートの個性的なメセニー・サウンドも聴きどころ。9月の来日公演への期待は嫌が応にも高まる。(江畑 謙)

カルテットの曲目リスト

  1. ア・ナイト・アウェイ
  2. ザ・サウンド・オブ・ウォーター
  3. フィアー・アンド・トレンブリング
  4. ドント・ウェイト
  5. トゥワーズ・ザ・ライト
  6. ロング・ビフォア
  7. エン・ラ・ティエラ・ケ・ノ・オルヴィーダ
  8. サンタ・クルーズ・スラッカー
  9. シークレット・ビーチ
  10. サイレント・ムーヴィー
  11. マルタズ・テーマ (『天国の道』より)

カルテットの商品レビュー

4.0 Wichita Falls?
アルバム構成も素晴らしく、安心して聴ける一枚ですが、あえて辛口で。

2曲目の「The Sound of Water」は、かの名曲「Wichita Falls」を彷彿とさせる仕上がりですが、4分近く引っ張ったわりには最後までウィチタのような壮大な展開を見せなかったところが、ちょい肩透かしをくらった感じです。
「Don't Wait」の4'15"あたりから見せるMehldauとの掛け合いは、「First Circle」の後半部のLyle Maysとの流麗なメロディラインを期待してしまいますが、静かに抑えられたまま結びに入って行きます。

どうもあの時代のMethenyを聴き込んでしまうと、新譜を素直に聴けなくなっている自分がいますので、反省もこめて星4つです。
5.0 ひたすら新しい音楽的融合を目指している
2005年12月ニューヨーク、ライト・トラック・レコーディング・スタジオにて録音。ブラッド・メルドーとパット・メセニーのコラボ第2作。

メンバー的には『新』ブラッド・メルドー・トリオにパット・メセニーが加わった形になっている。パットにとって自分自身の音楽というのは『パット・メセニー・グループ』の音楽という意識があるだろうから、それ以外は他流試合のようなものだろう。本作はビートルズやレディオヘッドの曲解釈に抜群の切れ味を見せるブラッド・メルドーと一勝負、カルテットでしてみたかったという形かと思う。

それこそ様々な新しいアプローチをお互いに試しているのだが、やはり1『A Night Away』の演奏が凄い。右手左手が別人格のピアノを弾くメルドーとアコースティックなギターで応戦するメセニーは火花を散らそうと言うのではなく、ひたすら新しい音楽的融合を目指しているように感じられる。25回聴いたが新しい発見が毎回あった。素晴らしい演奏だ。
5.0 あえて・・・ちょっとした《違和感》
9月公演の前から2列目を早々に確保した者として言いづらいことですが、これだけの話題作に対するレビューの少なさを見ると、これまでのレビューが「全員ベタボメ」に対する違和感があるのではないかと思ったりしました。
前作「メセニー・メルドー」でカルテット(2曲)を聞いた方なら、誰でも持ったであろう新作「カルテット」への期待感。そして本作を聞いた時の《違和感》(特に2曲目以後〜)、これは初めて対等の立場ながらリスペクトされる側(年上)にまわったメセニーが、これまでどおり(リスペクトする側)でがんばっていること、そしてメルドーの余裕綽綽の控え目な印象から来るもの?なのかなーと思ったりもします。この《違和感》は、特にPMGを追いかけてきた人に多いかもしれません。
PMGのレギュラー、メセニー、メイズ、ロドビー、サンチェス?で(再び)カルテットしても、本作までの仕上がりにならないことは予想できますし、この「違和感」が楽しいところもあり、星5つとはしましたが、あの名作「80/81」のように、最初聞いた時の違和感が10数年後に「胸を締め付けられるような感動」になって戻ってくることが、本作にはあるだろうか?という心配はあります。
5.0 濃密な作品
最初のデュオ作は聴いてないが、こちらのカルテットの出来は素晴らしい。1ではマーク、ジョンソンの「サマー、ランギング」などを思い出して想定内の展開。2にきてピカソ、ギターの美しさにびっくり。3ではギターシンセの用いられかたに大満足、しかもこれはメルドーの作品で、パットの豪放さにうなってしまう。4では冒頭の美しさに、パットの名バラードの私なりのリストの中を急上昇していく。5でようやくメルドーの活躍が目立つように思われる。1曲1曲がアルバム1枚に相当するような素晴らし作品。プレゼント用にしても良いくらい。
5.0 前作以上。メセニーはPMG以外に新しい表現母体を手に入れた!
日本盤は2007年3月28日発売。前作で好評だったベース・ドラムを加えたカルテット演奏で全曲を録音。作曲はメセニー7曲、メルドーが3曲、共作が1曲。

流石はこのダブルビッグネーム。聴き手の期待と信頼を飛び越えている。前作で時々感じた感傷的過ぎるタメ―いわゆるもったり感―が、リズム隊の加入で滑るようなテンポを得て解消された。聴きやすさの向上は(1)から一貫して感じられると思う。次に、メセニーのギターにますます初期のような若々しさが甦った。アコギから多重録音ギター、(3)(5)のヘヴィロックのような歪んだ音色(ロックとは一味違う規律性あり)、十八番のギターシンセと、最近のPMGよりもてらいなく、自分の感性に正直に弾いている。このふっきれっぷりがほほえましい。初期PMGが好きな方なら文句なしに買いだろう。

そんな自由なメセニーの演奏はやはりフュージョン的で、普通のジャズとしては水に浮いた油のような存在なのだと思う。しかしメルドーのピアノが全てを解決する。至って冷静なのだが、独自の渋いリリカルさで、ジャズの深みある空気を作り出す。彼のピアノが流れたとたん、メセニーのギターがカルテットの世界に混ざり合い、最高のメロディとなって機能する。一瞬で胸が熱くなるインスピレイションあふれるピアノならライル・メイズも同等以上に素晴らしいが、普通のジャズが舞台ならメルドーに軍配が上がるだろう。メセニーが欲し続けたスタンダードなジャズでの達成感をわずか2作で与えた16歳年下のピアニスト、ブラッド・メルドー。末恐ろしい男である。

本デュオはこの2作で終わりにせず、不定期的でよいから維持すべきだろう。PMGが実験・冒険の場なら、このデュオはメセニーの気負わないジャズへの愛情を出せる素晴らしい場所である。

なお、9月に本カルテットの来日公演が決定しました。嬉しいの一言です。

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