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シッコ

シッコ

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シッコの解説

突撃取材で知られるマイケル・ムーア監督が、米国の医療問題にザックリとメスを入れた衝撃のドキュメンタリー。
 国民健康保険が存在しない米国では、民間の保険に加入することがベストだと思われているが、実際は保険会社は利益重視で、いざ保険金となると、過去の病歴をあげ、手術を実験的だと判断し…と、できるだけ保険金がおりないように画策する。そして何人もの人間が命を落としていく。入院費用が支払えないからと病院を道に捨てることもある!と、驚くような米国の医療問題を悪質な医療制度の被害者の取材から、ムーアは切り込んでいく。
 政治家と保険会社の癒着、ニクソン時代に遡った医療制度の問題点などを赤裸々に映像で語り倒し、そしてフランスやイギリス、キューバなどの充実した医療制度を比較する。ムーアの視点はあまりにも一方的な危なさはあるが、見て見ぬふりをしてきた問題を掲げる勇気は立派だ。ただ医療制度を変えることができないのはなぜか、政治家と保険会社の癒着だけが問題なのか、疑問点は残る。マシンガントークのような映像とナレーション、そのわかりやすい演出に圧倒され、まるごと信じてしまいそうになるが、見ている方にも冷静さは必要かもしれない。とはいえ、わが国と比べたり、調べたり、もっと知りたいという意欲に繫がる、いろいろ考えさせられる映画であることは確かだ。(斎藤香)

シッコの商品レビュー

5.0 こんなにすごい映画だとは・・・ 百聞は一見にしかず、驚愕の事実を深く感じ取れる作品
アメリカ一国主義の綻びが急速に明らかになってきた。リーマンブラザースの破綻で恐慌レベルまでに至っている金融の状況、イラク制圧の失敗、そして医療制度の破綻、これが自由と理想のシンボルと教え込まれてきたアメリカの現実だ。

私のような日本人は、戦後の教育の中で、アメリカが世界一素晴らしい国であるとずーっとプロパガンダを受けてきた。完全に染み付いている。アメリカのようになることこそが、理想であると思い込むようになっていた。

しかし、アメリカのたくさんの長所の反面で、ひずみが市民生活まで蝕んできている。ついでに言えば、日本に何を見本に今後、政治や経済を運営していけばいいのかということを突きつけている。

アメリカが決して理想の国ではないこと、内憂外患をかつてないレベルで溜め込んでいることが、今後の世界全体にいい影響を及ぼしそうにないことを深く認識させてくれる。

→悲惨さ
 入院費を払えない患者をタクシーに乗せ貧民街に捨てる(文字通り)
 保険会社は難癖を付け、保険の支払に応じない
 治療費が払えないことによる治療拒否が常態化

→国民皆保険の他国の状況
 医療費の多くが無料のイギリス。医者は予防医学の成功報酬主義で、高額の報酬。
 電話一本で医者がすぐ駆けつけてくれるフランス

→キューバ
 アメリカのプロパガンダにより、共産主義の権化のような不幸な国と思っていたが、国民の健康を第一に考える、ある意味素晴らしい福祉国家
 アメリカでまともな医療を受けられない人を、キューバの病院は基本的に無料で受け入れ、根本的な治療を施す。これは、脚色ではなく現実である。


いろんなことに頭が毒されている、ということを強く感じた。シッコの衝撃はシッコを見ることによってしか感じることはできない。憤りや怒りで涙が出てくる映画というのもこの映画のほかに思い浮かばない。
4.0 アメリカの医療制度の現状がよくわかる!
とても面白いドキュメンタリーでした。
この映画を見て、医療の分野に市場原理を持ち込んではいけないと確信しました。自由を求めすぎると結局こうなってしまうんですね。
映画では、怪我をしても自分で縫ったり、破産する原因の1位が医療保険など日本では信じられない状況が生々しく描かれてました。確かに、映画の中で賞賛されていたカナダ、イギリス、フランスの医療制度についても、財源の確保などの問題はあるでしょう。しかし、アメリカの高額な医療保険に比べると、公的な医療制度は断然優位であり、待ち時間が長くても少ない負担ですむというのは恵まれてると思います。
こういう映画が日本でももっと増えてほしいです。
4.0 面白かったです
各国の医療事情が分かって興味深い。
マイケル・ムーアの突撃精神も面白かった。

カナダ、イギリス、フランス、キューバは
国民全員が医療費無料だなんてうらやましいな。

私の○○は、毎月100万円ぐらいかかってるし、
医療費の負担が大きくて治療を控えている友人もいるんです。

そんなこんなで、他人事とは思えない医療問題、
保険会社の酷い仕打ちを真剣に観てしまった。

国の医療システムによって、医師たちの考え方、
患者への接し方も、あんなに違うなんて驚いた。

いっぱい税金を払ってるのに、医療費も高いし、
日本の税金はどこに消えてしまうのかなぁ・・
4.0 日本の近い将来
 日本の未来を見た気がします。医師は少なくなり、高齢者は増える。どう考えても、切り捨てられる患者が必然的に出てきます。そして、その犠牲者は高騰する医療費を払えない人たち。怪我や病気で入院したら、何百万円、何千万円かかるかわかりません。つまり普通のサラリーマンでは長期入院するような怪我や病気はできなくなります。逆に言えば、怪我や病気をしても、病院に行けなくなります。

 既に負担する医療費は高くなる一方だし、患者増で過酷な労働を強いられる医師は不人気となり減り続け、医師数減でさらに医師の労働は過酷になるという悪循環が始まっています。

 保険会社も保険金が払えなくなり倒産するか、保険金の払い渋りを加速させ、重箱の隅をつついてくるでしょう。すでに、未払いが問題化していますし。

 日本政府(自民党)は、医療負担額を増やして、老人を病院へ行かせないようにして、日本人の平均寿命を短くする政策を推し進めています。これが本当に必要な政策なのでしょうか?
5.0 本編は序の口、特典ディスクが必見です。
この作品は特典ディスクを見ずして終われません。disc2を見れば、本編が映画として公開することを十分に考慮した映像作品に仕上げてある事がよく分かります。本編も衝撃ですが、2枚目はより充実した内容で、こちらのほうが真のドキュメンタリーに近いといえるでしょう。
ちょっとでも関心を持った方には、本当にこの2枚目の特典ディスクを見て頂きたいと願います。

このシッコという映画でマイケル・ムーア監督は医療をテーマとしていますが、全体として、医療を切り口にして世界が抱えている社会問題・社会システム全体を問うているように感じられます。

特典ディスクの内容としては、映画のその後のマイケル・ムーア監督やその出演者・賛同する政治家たちの活動や、プレミア前日の貧民街でのほんとの初公開での映像、未公開映像、著名人へのインタビューがあります。
特にノルウェー取材の映像は衝撃的です。これは衝撃的過ぎて映画には組み込めなかったというムーア監督の言葉がよく分かります。アメリカ人(どころか現代に生きる日本人)の感覚ではとても受け入れがたい事実がそこにはあります。きっと問題点もあるでしょうし、映像はその部分をついてはいませんが、本編でクローズアップしたカナダ・英国・フランス・キューバも及ばない、そこは理想を持った人々が暮らす理想の国のようでした。

マーシャ・エンジェル、エリザベス・ウォーレンはアメリカの医療問題が抱える本質を具体例を挙げながら赤裸々に解説しています。ヒラリーが国民皆保険の実現に失敗したのは、話し合いの余地がないのに保険会社を温存しようとしたからだと。また、調査したデータから見れば、医療で破産した人々は決して一部の貧しい人々ではなく、ごく普通のアメリカでの一般家庭で、保険にも加入していた。これは予測できたことなのだと。

アレイダ・ゲバラ(キューバの革命家チェ・ゲバラの娘)、トニー・ベン(イギリスの元国会議員ン)は全ての人に聞かせたい素晴らしい話をしてくれます。もはや医療問題に限らず、世界において大切な事を(アメリカのグローバリズムではなく、本当の意味でのグローバルな視点で)語ってくれます。彼らはアメリカ批判はしません。しかし、多くの歴史・事実に学ぶとすれば、行き過ぎた個人主義が必然的にアメリカの破綻をもたらし、社会主義的システムが、アメリカが何十年も説き続けてきたような悪ではないのだと教えてくれます。

アレイダ・ゲバラは言います。社会主義国ではありとあらゆる自由は与えられていない。しかし、それは不幸なことではないし、自由という定義そのものが人それぞれであると。自由に自己主張するのは構わないが、そうしたら今度は人の話も聞かなくちゃと。人は生まれたときから皆平等なのだと。
また、父の教えとして、人は理想を追い求めときに何かを犠牲にして闘わなければならないと話す。真実を知り、間違いに気付くだけでは不十分である。行動しなくてはいけないと。

トニー・ベンは言います。民主主義は社会主義などに比べて遥かに先進的な思想なのだと。しかし社会主義を悪にしたのは、スターリンである。マルクスはもっと柔軟だった。革命でソ連が成立したが、ベネズエラのチャベスのようにすれば良かった。体制が恐れているのは革命である。だから常に体制は国民から希望を奪い、恐れを与え、行動を起こす勇気を起こさせないように操作する。その方が統治しやすいからだ。もし貧しい人々が、自分たちの代弁者に投票し、皆で行動を起こせば、真の民主主義革命が起こるのだと。
これはまさに今のアメリカを、少し先の日本の本質を突いた言葉ではないでしょうか。

医療の問題だけなく、物事の本質をついた映像作品です。一人でも多くの方に見て、考えて、行動して頂けることを願います。

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