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商品の情報
ストローブ=ユイレ コレクション アンティゴネ~ソポクレスの《アンティゴネ》のヘルダーリン訳のブレヒトによる改訂版1948年の商品レビュー ナチスの影、古典の自在な変容
まず最初に、原作である『アンティゴネー』そのものの忠実な舞台化を期待された方はやや裏切られます。ブレヒトの1948年翻案を下敷きにしており、1948年といえば第二次世界大戦の余燼さめやらぬ最中、前面に押し出されるのは、権力者による戦争動員による国民の疲弊や反戦平和の願いといったことどもです。(従って、権力者への精神的抵抗者であるアンティゴネーは、かつての「白バラ」ゾフィー・ショルにも似た役回りを与えられているかのようです。)圧巻は、最後の場面で、凶報の使者がアルゴス軍の勝利(テーベ側の敗戦)と長子メガレウスの戦死を知らせて息絶えた後、王クレオンに対しコロス(長老団、舞唱団)が次々に批判の言葉を朗誦する場面で、息を呑む場面でした。古典の生命力は、正にその自由な解釈により時代を越えて保持されていく点に存すること(逆に云えば、そのような作品のみが古典の名に値するということ)がよく理解できました。(もう一つ印象に残ったのは、呪われた運命を背負った兄弟姉妹間の家族愛ということですが、この点では神島二郎の名著『日本人の結婚観』で展開された「家族こそはファシズムに抗する砦の一つ足り得る」という命題が想起されました。)『アンティゴネー』の世界を更に広く理解されたい方は是非。 見事な映像、素晴らしい様式の美学、深遠なテクスト、しかし、かなり手強い!
ヘルダーリンのドイツ語訳による、ソフォクレスの「アンティゴネ」の、ブレヒトによる改訂版の上演。演出はジャンマリー=ストロープとダニエル・ユイレ。事情通の人には、これだけでも興味をそそられる上に、舞台はシチリア島のセジェスタの古代円形劇場と、至れり尽くせり。そしてこれは、物凄い傑作! 目の前で進行しているのはギリシアの古典悲劇なのですが、それがいつの間にか現代のわれわれ自身の悲劇として迫ってきます。テクストと、演出の凄さなのでしょう。私はブレヒトはそれほど好きではないのですが、それでも最後のブレヒトの一文に胸を打たれました! ですが、全編俯瞰気味の固定ショット(高さ四メートル五十センチだそうです!)と、バストショットあるいはクローズアップのカットバックが殆どで、極端に動きの少ないカメラと、役者も動きがほとんど無く、荘重なドイツ語の朗読による台詞劇ですから「普通の」映画を予想する人は、仰天するでしょう! 音楽は最初だけ、サウンドもなし、殆ど舞台の上演そのままです(因みに、DVD自体にもチャプターはありません)。詳細かつ専門的なブックレット付き。 DVDの最新売り上げランキング - トップ10
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