切ない恋に、この1枚
タイミングと人の縁と実力と場所。
まるで音楽の神様に導かれるように
すべての要素がかみ合い、濃密に絡み合い、
幸せな化学変化を起こした結果、
この世に生まれ落ちた名盤。クリームに別れを告げたクラプトンが
自らのルーツを探るようにアメリカ南部へ渡り、
そこで出会ったミュージシャンたちとの
純度の高い交歓が珠玉の楽曲と演奏として結実し、
このアルバムにしっかりと刻まれている。
クリーム時代のクラプトンを望むファンの失望はもろともせず、
リリースからの長い時をかけて、彼はこのアルバムの
「やりたいように作った」楽曲群を押しも押されぬ名曲として
ファンに認知させてきた。
全編を通してデュアン・オールマンとのギターの絡みが
過不足なく歌を引き立てており、2人のギタリストが
お互いの持ち味を殺すことなく補完しあっている
という意味で最高のロックアルバムと言えるだろう。
自らのルーツであるブルーズナンバーの07. なども
リラックスして披露しており、25歳にして豊穣な収穫期を
迎えているクラプトンのヴォーカルも存分に味わえる。
あえて2曲だけ吉里爽好みの曲を挙げてみよう。
やはりロック史上最高峰のギターリフがむせび泣く
タイトル曲の 13. と、叶わぬ恋の熱情を歌った 02 だろうか。
道ならぬ恋、切ない恋をしている人には、この2曲が
心の奥深いところまで届くこと請け合いだ。
好みが分かれるところだろうが、時代を感じさせる
ジャケットもなかなか美しい。