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「CDつきマガジン」だそうだけど、志ん生さんのCDが主で、冊子は副。そりゃそうだよね。 そのCDのパッケージは、プラケースに表ジャケは冊子表紙と同じ写真、裏に演目が印刷されている。雑誌付録によくあるCDを厚紙に貼り付けただけではない、丁寧なつくり。 特筆すべきは、草柳俊一氏によるリマスタリングされたソースが収録されていること。 LPやリマスタリング以前のCDでしか志ん生を聴いたことがなかったので、あにはからんや、ちょっとしたどころではない驚きがあった。 出囃子のシャミの音がそれはそれは艶っぽいし、高座、下座、客席の暗騒音や騒音(ぞめき!)はスーッと宙空に抜けている。見当違いな例えしか思い浮かばないけれど、B.エヴァンス「ワルツ・フォー・デビー」に収まった客席の音と同じくらいにいい按配。志ん生の声もリマスタリングで当然、生々しくなっている。いるんだけど、あの早口フェードアウト、最後まではなしきらないところが、やっぱり聴きとれないままなのがすばらしい。つまり、もし自分が収録された高座に居合わせたとしても、やっぱり聴きとれなかったんだなぁ.,と思わせてくれる。 LPや以前のCDは、当時のラジオで聴く落語の楽しみを偲ばせてくれる、だろう。 リマスタリングされたCDは、生で聴けなかった悔しさを少しだけ慰めてくれる、ような。 冊子の記事は、CDで落語を聴く前後に丁度よく読める内容と分量。欲をいえば志ん生さんの高座写真がもっと載ってればなぁ。田中優子さんが連載で書いてます。執筆者顔写真に見る彼女は、大学で教鞭を執る江戸研究家ってより、深川の粋な小唄のお師匠さん。昭和の名人全26巻には、まことに相応しいと申せましょう。
付録のCDに収録されてるのは、以下の3点。 火焔太鼓(25分36秒 昭和31年9月3日、ニッポン放送『志ん生十八番』にて放送) 替わり目(13分20秒 昭和35年1月6日、ニッポン放送『演芸玉手箱』にて放送) 唐茄子屋政談(26分34秒 昭和36年6月30日、ニッポン放送『開局七周年 志ん生独演会』にて放送) 昭和の名人決定版の2集目で価格は1190円。CDつきで安いんでしょうが、創刊号の490円がえらく安かったもんだからそれと比べて高く感じてしまいました。 全部で26集あるから全部で26000円軽く超えるなぁと躊躇しながらもやっぱり手が出てしまいました。 今でも人気の高い志ん生師匠のその壱です。 興が乗れば40分かける話も気が乗らないと5分でやめてしまう。それでも会場は爆笑に次ぐ爆笑だったそうです。 志ん生師匠の生の芸を見てみたかった気がします。